はじめに
こんにちは~。へっくまんです!
今回は「マーケティング・分析」に関する本の書評・内容を紹介していきたいと思います!
ちなみに今回紹介する本は『ID-POSマーケティング~顧客ID付き購買データで商品・ブランド・売り場を伸ばす~』というサブタイトルが長い本となっています。
私自身メーカー勤務でPOS分析を用いて営業等をしているので今回はその上位互換でもある「ID-POS」について学びたくなったのでこの本を手に取りました!
この記事では、まず「POSとは何ぞや?」ということから説明していき本書の内容でもある「ID-POS」についても書いていきます!
マーケティング部門の方や、営業の方・小売業で働かれている方にお勧めの内容となっております!
では早速見ていきましょう!!
POSとID-POS
まず「POS」とは「Point of sales」の略で「何がいくつ売れたか」のデータをレジのバーコードリーダーから読み取って記録しているデータです。
POSデータから読み取れる内容としては、日時・店舗・商品名・数量・売価・金額であり「モノ」に焦点を当てています!
それに対して「ID-POS」は顧客情報付きのPOSデータと言え、性別・年代・購入の頻度・一定期間の併売率・リピート率・新規率迄情報の幅を広げることができ、「ヒト」に焦点を当てています!
皆さん、買い物をした際にレジで貰ったレシートに「お勧めのクーポン」が発行されたことはありませんか??
今までは無作為にクーポンのばら撒きをしていましたが、今ではポイントカードの登録情報から性別・年齢・そして購買履歴からお勧めの商品を効率良くアプローチできるようになっています!
「ID-POS」の情報取得には「ポイントカードの利用率」がカギに!
ID-POS上の基本指標
ID-POS分析をする上で重要な指標「買上率」と「リピート率」について簡単に説明したいと思います!
買上率
買上率とは(特定商品の購入人数)÷(来店人数)で求めることができます。
つまりは、お店に来店して何かしらモノを購入したお客様の中で特定の商品が買われた割合ということになります!
この買上率に関しては、業態によって異なってくるのが容易に分かってくるかと思います。
ホームセンターとドラッグストア、またしてはスーパーでは訪れるお客様の目的が異なっているので気を付ける必要があります。
リピート率
リピート率も想像しやすいと思いますが定義としては「対象期間中の延べ購入人数に占める再購入人数の割合」となっています。
リピート率に関しては、母数が大きくなるので数字自体が小さく出るのが特徴的であります。
また、対象カテゴリーによってはリピートの期間を絞る必要もあります。
本書の例では、スーパーにおけるリピート率の高い商品・カテゴリーの紹介として「タバコ」「食品類」が挙げられております!
もちろん、ドラッグストア・ホームセンターになるとカテゴリーは大きく変わってくるのは目に見えています!
ID-POSの活用方法
マーケティング・仮説検証に生かせる
『ID-POS』は、年代・性別ごとに購買データを抽出することがでできるので、商品の特徴に合わせてマーケティング・広告の策を打つことができ、その仮説検証をする事ができます!
もし仮に年代的に高齢者に支持が多い商品Aが存在するとします。
これらの事実から「仮説」として2つほど立てることができると考えられます。
①高齢者は今後増加していくのでこの商品を育成すべき
②今後の購買層となる若者を取りたいのでこの商品に力を入れるべきではない
どちらの仮説を立てて、実行していくのかは企業の戦略によりますがまずはID-POSの購買データを基に仮説を立てることができます。
また、新たなポジショニングを獲得するためにも「ID-POS」を活かすことができます。
既に競合の商品が売れている中でもその商品がどの年代に支持を受けているのかを分析することによって、競合が取れていない年代に対して自社商品をマーケティングすることによって軸ずらしで売ることができる様になります!
同じ様な商品でも競合では50代に支持があるけれども、20代に支持がないからここの市場がチャンス!ということになります!年代ずらしは新しいポジショニングを獲得するための一手!
店舗での売場作成に生かせる
『ID-POS』の購買データより一定期間での併売率を取ることができます。
⇒POSデータでも一時点での併売率は取ることができますが、シャンプーとリンスの様に同じ時に購入することが想定しにくい商品に関しては正しく併売率を考慮することができませんでした。
※「お酒」と「おつまみ」の様に同時点で買われすい商品はPOSデータでも考慮することができます。
ID-POSの併売データを用いて、意外な併売のデータを取ることができ売場で々様にプロモーション展開することで今まで買ったなかった人にアプローチすることによって売上を伸ばすことができるかもしれません。
おもしろそうな併売率のデータとして
1.入れ歯関連品×うどん
2.おむつ関連×アルコール除菌剤
3.ストッキング関連×静電気除去スプレー
等のデータを読み取ることができるので一緒に商品を展開することで売り場活性化に繋がるかもしれません。
また「ID-POS」活用に似ていますが、同じ商品を複数個所展開してどの売場との相性がいいのかを検証することもできます(バーコードの変更が必須)
流出入分析
「ID-POS」では一定期間でのリピート率・離反率が分かると共にある商品Aを買った後に次にお客様がどの商品を買っているのかを分析することができます。
流出入分析が役に立つ場面としては
①お試し品を買った後の購買行動
②新商品を買った後リピートができているか
③新規獲得・単価アップに貢献できている商品を探る
等の分析ができます!
ここでは、③について少し解説したいと思います!
まずあらゆる商品カテゴリー(シャンプー等)では間口となる商品が存在しており、お客様は今まで買ってなかったカテゴリーに関してはまず安くて少し有名な商品を買いがちです。
そして、その間口商品を使ってみて満足かつもっといい商品を使いたいというお客様に関しては次に単価の高い商品へとお客様の購買内容が変化していきます。
この時に間口商品となる商品はお客様が流出してしまっているので「売上が下がっているから売り場から削除しよう」と言いたいところですが実際には危険な場合があります。
こちらの商品は今まで買ってなかったお客様を獲得できかつ【単価アップ】への橋渡しの商品になっている可能性があるので売り場から無くしてしまうと今後の売上も期待できなくなります。
この様に一見売上が下がっているような商品に関しても「流出入分析」をしてあげることによって間違った判断を防ぐこともできます!
おわりに~書評~
本書は「分析」をしっかりしたいという人向けというよりはマーケティング職としてレベルアップしたい人、もしくは小売業の方にはお勧めの内容となっていました。
今回私が紹介しな内容以外にも「なるほどな~」と思うようなマーケティングの知識実際に知っているブランドと商品を用いて説明してくれているので分かりやすい内容になっていました。
しかし、正直マーケティングをこれから勉強しようとしている人よりある程度知識がる人向けで【ID-POS】って聞いた事あるけれどもどんな内容だろうかと思っている人向けかなとも思いました。
私自身はもっと分析よりな内容だと良かったかな~とは思っています…。(笑)
皆さんも本書を読んでからドラッグストア・スーパーに行って、これはこういうマーケティングではないかと思えるようになるとお買い物が面白くなるかもしれませんよ??(笑)
ではでは~。
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